「外資系企業に転職する予定だけど、給与交渉ってどうやるの?」
「希望年収を伝えたら不採用になるかも…」
そんな不安を抱えていませんか?
私自身、外資系企業に4回転職し、オファーをそのまま受諾した経験も、給与交渉をした経験もあります。
また、ボーナスの支給方法に双方に理解の相違が発生して、入社直前にトラブルになったこともあります。
初めて交渉するときは、
「変に要求して印象が悪くなったらどうしよう…」
と不安でいっぱいでした。
でも、実際に経験してわかったのは、外資系では給与交渉は珍しくないということ。
とはいえ、交渉の仕方を間違えると、
「高すぎる希望額を出して失敗」
「一方的な要求で印象が悪化」
「長引かせすぎて断りされた」
なんてことも…。
せっかくの転職のチャンスを逃さないためには、適切なタイミングで、スマートに交渉することが大切です。
この記事では、給与交渉の準備から成功のコツ、やってはいけないNG行動までを徹底解説します!
- 外資系では給与交渉が一般的。でもNG行為に注意!
- 給与交渉のベストなタイミングは「内定後のオファー面談」
- 給与交渉前にやるべき準備 → 「市場相場のリサーチ」「実績の整理」「希望年収の設定」など
- 給与交渉の具体的方法 → 「論理的に話す」「他社オファーを活用する」「強気すぎず柔軟に」「転職エージェントを活用する」
- 転職エージェントを活用すれば、交渉が苦手でもスムーズに進められる!
- オファーレターはしっかり確認!
- カウンターオファー(引き止め)を受けたら、転職理由と照らし合わせて冷静に判断
この記事を読めば、外資系転職での給与交渉が「怖いもの」ではなく、「待遇をアップさせるチャンス」に変えるヒントを得ることができます!
ぜひ、最後までお付き合いください!

外資系転職で給与交渉は可能?基本ルールと4つのNG行動

まずは外資系企業の給与交渉の概要について見ていきましょう。
外資系企業では給与交渉は一般的なので、交渉することに問題はありません。
ただし、根拠のない金額を希望すると、採用企業に対して悪影響を与えるリスクがあります。
ここで説明する概要と注意事項をチェックしておきましょう。
外資系企業では給与交渉が一般的
外資系企業の給与は「職務内容や市場の相場に基づいて決定される」ことが多く、応募者が適正な希望年収を伝え、交渉することが当たり前の文化になっています。
特に欧米企業では、年収の決定プロセスが透明化されており、「最初のオファー額=最終決定額」ではないこともあります。
実際、わたしが内定をもらった外資系企業では、オファー額に10%程度の交渉余地がありました。
日本企業のように年功序列や一律の給与テーブルではなく、外資系企業では「求職者が自分の市場価値を示し、適正な報酬を求める」ことによって交渉が可能になる場合があります。
給与交渉が成功する人・失敗する人の違い
給与交渉が成功する人と失敗する人には、以下のような違いがあります。
成功する人の特徴 | 失敗する人の特徴 |
市場相場を事前にリサーチしている | 自分の希望額だけを伝えて根拠がない |
これまでのスキル・実績を論理的に説明できる | 「他社ではもっともらえる」と感情的になる |
交渉のタイミングを理解している | 面接の序盤から給与の話ばかりする |
企業側の立場も考慮して交渉する | 自分の条件だけを押し付ける |
交渉が長引かないよう、スムーズに話をまとめる | 細かい条件にこだわりすぎて印象が悪くなる |
例えば、Aさん(30代・エンジニア)は、転職前に業界の給与相場を徹底的に調べ、過去の実績を資料化して交渉に臨んだ結果、最初のオファー額から15%の年収アップに成功しました。
一方、Bさんは「現在の給料に納得していないので上げてほしい」と交渉したところ、根拠がなかったため交渉が上手くいかないだけでなく、企業に悪い印象を与える結果となりました。
給与交渉を成功させるためには、客観的なデータや実績とともに、「なぜその金額が妥当なのか?」を説明することが重要です。
給与交渉で絶対に避けるべき4つのNG行動
ここでは給与交渉で絶対に避けるべき4つのNG行動について見ていきましょう。
もしその企業に入社するとなると、給与交渉で将来の勤務先に与える印象は非常に重要になります。
気持ちよく迎え入れて入れてもらうためにも、これらのNG行動には注意して給与交渉を行うようにしましょう。
NG行動① 相場とかけ離れた金額を提示する
給与交渉の基本は「適正な範囲でのアップを狙うこと」です。転職市場では、現職の給与から10〜20%アップが一般的な交渉ラインとされています。
もちろん、業界によって平均的な給与レンジは異なります。もし転職先の企業が同程度の給与レンジであれば、10〜20%程度のアップで検討してみましょう。
例えば
- NG例: 現在の年収が700万円なのに、同じ業界の企業に「1,000万円以上希望します」と主張する
- OK例: 「現在の年収は800万円ですが、業界の相場とこれまでの実績を踏まえ、850万円~950万円を希望します」
根拠がないまま相場以上の金額を提示すると、「この人は相場を理解していない」「ビジネスマナーが欠けている」と判断され、内定自体が取り消されるリスクもあります。
NG行動② 現職の給与を偽って高く伝える
希望年収を高くするために、現職の給与を水増しする人がいますが、これはリスクの高い行為です。
採用企業は、給与交渉の参考として「源泉徴収票」や「給与明細」の提出を求めることがあり、嘘が発覚すると内定取り消しのリスクもあります。
例えば、
- NG例: 「現在の年収が800万円なのに、1,000万円と伝える」 → 源泉徴収票でバレる
- OK例: 「基本年収は800万円だが、成果によってインセンティブが〇円程度加算される」 → 交渉材料としてあり
希望年収を伝える際に、今後支給されるボーナスや期待できる昇給額を伝えることは問題ありません。
ただし、源泉徴収票で記載されている金額とそうでない金額はきちんと整理して伝えるようにしましょう。
NG行動③ 給与交渉を長引かせて企業の印象を悪くする
給与交渉が必要以上に長引くと、企業側は「この人は入社後も要求が多そう」「この人とは業務がスムーズに進まない」と感じ、採用意欲が下がります。
1〜2回の交渉で決着がつかない場合、別の条件(インセンティブやストックオプション)を交渉するのも一つの手です。
例えば、
- NG例: 「他社のオファーもあるので、こちらの希望額以上で再度検討してください(3回以上繰り返す)」
- OK例: 「基本給についてはご提示の金額で合意いたしますが、入社後のパフォーマンスに応じてインセンティブの支給をご検討いただくことは可能でしょうか?」
逆に私の場合は、双方の希望条件にギャップがあった際に、企業側が何度も小刻みに条件を変更してきたため、給与交渉が長引いてしまったことがあります。
その企業からは「少しでも(企業側にとって)有利な条件で採用しよう」という姿勢を感じてしまい、入社意欲も下がったため、こちらからお断りしました。
給与交渉は、スムーズに合意に至るようにしっかり交渉の材料と妥協・撤退ラインを準備しておきましょう。
NG行動④ 交渉が一方的になり、企業との信頼関係を損なう
給与交渉は、「自分の希望額を押し付ける場」ではなく、お互いの目的を達成するために「条件をすり合わせる場」です。
一方的にこちらの要求を突きつけると、企業側は「この人は会社に貢献する気がない」「ビジネスマナーに欠ける人だ」と判断し、内定を取り消す可能性があります。
例えば
- NG例: 「最低でも年収1,200万円以上でないと無理です!」
- OK例: 「希望は1,200万円ですが、ポジションの詳細や条件を伺いながら柔軟に調整したいと考えています。」
外資系企業では給与交渉は一般的ではありますが、相手の事情も考慮しながら柔軟な姿勢を持つことが重要です。
転職時の給与交渉はいつするべき?ベストなタイミング

外資系企業では給与交渉が一般的で、根拠を持って交渉すれば成功率が高まります。
給与交渉を行うタイミングはいつがベストなのか見ていきましょう。
給与交渉はオファー面談時がベストなタイミングですが、面接時に聞かれた場合は交渉の余地を残しながら希望を伝えるのがおススメです。
また、給与交渉は長引かせないことが重要です。
給与交渉の最適なタイミングは「内定後のオファー面談」
企業が内定を出した時点で、オファー面談が設定され、雇用条件のすり合わせを行うのが一般的です。
もし採用企業側からオファー面談の案内がなければ、こちらから依頼しましょう。
なぜならオファーレターが出されてしまったた場合、既にオファーレターの金額で社内の決済を取っている場合があり、交渉の余地がないこともあり得るからです。
オファー面談の段階では、企業側もあなたを採用する意思が固まっているため、もっとも交渉しやすいタイミングになります。
内定前に主張すると、「この人は給与のことばかり気にしている」と思われ、印象が悪くなることもあるので注意しましょう。
ただし、内定前であっても、面接の場で採用企業から希望年収を聞かれた場合は、その場で伝えても問題ありません。
この場合、面接で伝えた希望を後から変更することはネガティブな印象を与えるリスクがあります。
面接の段階でも希望年収をしっかり答えられるように準備しておきましょう。
面接時に希望年収を聞かれた場合の対応方法
面接中に「希望年収はいくらですか?」と聞かれることがあります。
この場合は、明確な金額を伝えず、交渉の余地を残しておくのがおススメです。
理由は、面接の段階では、雇用条件の詳細や期待される役割に関する情報が提供されていないことも多く、総合的な判断ができないからです。
また、他の選考も進行している場合、他社から提示されるオファー内容も把握していない状態で比較することができないこともあります。
回答例:
「業界の市場相場を考慮して、現在検討中です。ポジションの詳細を理解した上で、適正な金額を相談できればと思っています。」
「他社の選考も進行しておりますので、給与以外の材料も総合的に検討した上で、〇〇円から〇〇円あたりのレンジで相談できればと思っています。」
このように答えれば、相手に強気な印象を与えず、交渉の余地を残すことができます。
給与の交渉術について、後ほど詳しく説明します。
交渉を長引かせず、引き際を見極める
給与交渉は、1回で終わらない場合もありますが、2回目の交渉で決着をつけるのが理想です。
また、これまでの交渉内容をふまえて「この金額であれば決めます」と伝えておくと、採用担当者も社内の承認を取りやすくなります。
例えば、最初のオファーで希望額に届かなかった場合、以下のように伝えましょう。
「〇〇円であれば御社に決めたいと考えておりますが、ご検討いただくことは可能でしょうか?」
企業の反応を見ながら、納得できるラインで決定するのがポイントです。
何度も交渉すると、企業側に「合理的に仕事を進められない人だ」と思われる可能性があるので注意しましょう。
給与交渉の準備|年収アップの成功率を上げる5つのポイント

給与交渉を成功させるには、しっかりとした事前準備が必須。
市場相場や応募企業のリサーチや自身のスキルの整理を行い、根拠を持って交渉に臨むことが重要です。
ここでは年収アップの成功率を上げる5つのポイントについて見ていきましょう。
ポイント① 転職市場の相場・業界平均年収をリサーチする
転職市場では、同じ職種・経験年数でも業界によって年収の水準が異なります。
そのため、自分が希望する金額が「相場と比較して適切なのか?」を知ることが大切です。
市場相場のリサーチ方法
- 転職エージェントの年収レポートを活用する(例:ロバート・ウォルターズ、マイケル・ペイジの給与調査)
- 求人サイトに掲載されている企業の給与情報をチェックする(例:LinkedIn、ビズリーチ、リクルートダイレクトスカウト)
- 同業他社で働く知人から情報収集する
例えば、市場相場のリサーチによって外資系IT企業でエンジニアの給与相場が900万円前後だと分かっていれば、800万円のオファーに対して交渉する理由が明確になります。
ポイント② 自分のスキル・実績を整理し、交渉の根拠を明確にする
企業が給与を決める際の基準は、「業種の相場 × 個人のスキル・実績」です。
つまり、応募する業界の相場を知り、自分のスキルや過去の実績を企業に適切にアピールできるかどうかが交渉成功の鍵になります。
スキル・実績の整理方法
- これまでのキャリアの成功事例を洗い出す
- 売上やコスト削減への貢献
- プロジェクトのリーダー経験
- 応募する職種で活用できるスキル・資格
- 具体的な成果を数値化する
- 例:「営業職なら売上目標達成率〇〇%」
- 例:「エンジニアならプロジェクト納期の短縮△%」
- 自分の市場価値と比較する
- 希望給与と自分のスキルが見合っているか?
例えば、「現職では⚪︎⚪︎の施策を導入したことにより、年間3億円の売上増加に貢献した」と実績を数字で表現できれば、給与交渉時に説得力のある交渉が可能になります。
実績を整理する際にはSTAR方式で準備しておくと、面接時により説得力が増します!
ポイント③ 現職の正確な年収を把握し、希望年収を設定する
採用企業は内定社に対して、「現職の給与+α」の金額でオファーすることが多いです。
そのため、現職の年収を正確に把握し、どれくらいのアップを狙うのかを明確にしましょう。
現職の年収の確認方法
- 直近の源泉徴収票で総支給額をチェック(手取りではなく、控除前の額面給与)
- 賞与・インセンティブの額も計算に入れる
- 昇給率も考慮する
例:
現職の年収:800万円 → 転職時の希望年収:900〜1,000万円(10〜20%程度のアップを狙う)
私がよく使うテクニックは、「現職に残れば〇〇円の昇給とボーナスが見込まれる」という形で現職の年収に下駄をはかせる方法です。
既に支払われた給与の金額は源泉徴収票や給与明細でチェックされる可能性もありますが、報酬の期待額は個人の予想であるため、採用企業も確認のしようがありません。
もし、現職で昇給やボーナスが期待できる場合は、合理的な範囲で含めてアピールすることを検討してみてください。
ただし、源泉徴収票や給与明細はチェックされる可能性があるため、期待値を伝えるときはきちんと分けて説明するようにしましょう。
ポイント④ 給与だけでなくインセンティブ・各種手当も考慮する
外資系企業では、固定の給与以外に「インセンティブボーナス」「ストックオプション」「各種手当」などが収入の一部になることが多いです。
また、年収以外に「サインオンボーナス」が提示される場合もあります。
「サインオンボーナス」は雇用契約書にサインすると支給される「入社一時金」で、入社時に一括で支払われることもあれば、分割で支払われることもあります。
サインオンボーナスは、企業側(採用担当者)が柔軟に設定できることも多いため、交渉材料になりやすい傾向があります。
給与だけでなく、これらの条件もチェックして全体的な待遇を考慮しましょう。
例えば、
- 固定給以外のボーナスはあるか?
- 住宅手当、家族手当等の各種手当の有無
- ストックオプションや退職金制度
たとえば、「年収900万円+ストックオプション50万円」と「年収1,000万円だがストックオプションはなし」のどちらが自分にとって良いのか?と考えることが重要です。
ボーナスやインセンティブを検討する際は、支給の条件やタイミングもチェックしておきましょう!
ストックオプションであれば、「在籍〇年以上」が対象となっていたり、ボーナスであれば、「入社初年度は支給対象外」となっていたりすることもあります。
サインオンボーナスであれば、支給時期と入社⚪︎年後に退職した場合の返還義務について確認しておきましょう。
これらの制度は会社によって異なりますので、オファーレターにサインするまでに必ず確認しましょう。
ポイント⑤ 希望年収は「レンジ」で伝えるのが成功のコツ
希望年収をピンポイントで提示するのではなく、「900万円〜1,100万円」のように幅を持たせることで、企業側も調整しやすくなります。
私の場合は、採用企業の平均年収をチェックした上で、下限は妥協できない金額、上限は市場の相場よりもやや超える程度で設定することが多いです。
もし、採用企業の平均年収がわからない場合は、現職の年収の10%程度のアップであれば、現職を離れて転職するリスクのプレミアムとして主張しても問題ないレベルかと考えます。
希望年収を伝えるときには、金額だけが独り歩きしないように「他の要素も総合的に検討した上で最終的な希望金額を確定します」と伝えておくことも重要です。
給与交渉の具体的な方法|成功のための交渉術

給与交渉を成功させるには、論理的なアプローチと柔軟な交渉姿勢が必要になります。
ここでは給与交渉の具体的な方法を4つ紹介します。
- 給与交渉は論理的に進め、データを活用する
- 他社のオファーを活用する
- 適度なバランスを取る
- 転職エージェントを活用すると成功率が上がる
①交渉時は論理的に、事実ベースで話す
「生活費が増えるから給料を上げてほしい」ではなく、
- 市場相場のデータ
- 自身のスキル・実績
- 現職での評価・今後の昇給・昇格予定
を根拠に交渉すると、採用担当者も合理的な根拠をもって社内の承認を取りやすくなります。
②他社のオファー額を活用して有利に進める
例えば、「競合企業から1,000万円のオファーを頂いているが、御社のポジションに魅力を感じている」という伝え方をすると、採用企業が条件を引き上げる可能性があります。
なぜなら、採用担当者が社内の承認を得る際に、「競合が〇〇円をオファーしている事実」は強力な根拠となるからです。
いっぽう、報酬設計は企業ごとに異なります。他社からその金額で出ていても、別の企業では、他の社員とのバランスでその金額は出せない、ということはよくあります。
相手の事情も考慮しながらこちらの交渉カードを使うようにしましょう。
③給与交渉では強気になりすぎず、適度なバランスを取る
「1,200万円以下のオファーではお断ります」などと強く主張しすぎると、企業側が採用を見送る可能性もあります。
入社しても、そのような姿勢で仕事をする人だと思われかねません。
待遇だけでなく入社後の機会なども考慮して、柔軟な姿勢を見せることも重要です。
給与以外の要素や入社後の成果によって評価してもらうなど、バランスを取りながら交渉することをおススメします。
④転職エージェントを活用してスムーズに交渉を進める
転職エージェントは企業との交渉経験が豊富なので、自分で交渉するよりも有利に進めることができます。
特に、相場よりも低いオファーが出た時は、転職市場のデータを採用企業に示して相場レベルまでは引き上げてくれることが期待できます。
また、過去に応募企業や同業他社に紹介した人材が採用された実績があれば、「落としどころ」を見極めてくれる頼れるパートナーとなってくれるでしょう。
転職エージェントを活用するメリットについては後述します。
転職エージェントを活用するメリット

転職エージェントを活用することで、給与交渉を合理的に進めることができ、転職市場に適した年収が得られる可能性が高まります。
ここでは、簡単に転職エージェントを活用するメリットを3つ紹介します。
メリット① 企業ごとの交渉スタイルや給与テーブルを熟知している
企業によって、給与交渉に対するスタンスが異なります。例えば、
- A社 → 「給与交渉は前提。実績があれば交渉可能。」
- B社 → 「給与交渉は基本的に難しいが、インセンティブなど変動給の条件なら交渉可。」
このような背景を知っている転職エージェントを活用すれば、無駄な交渉を避け、企業側が譲歩できるギリギリの条件を引き出すことが可能です。
メリット② 自分の市場価値に基づいた適正年収をアドバイスしてくれる
転職希望者の多くは、「自分の市場価値に見合う年収が分からない」という悩みを抱えています。
転職エージェントは、過去の転職データを元に、「この業界で、この経験なら年収〇〇万円が適正」とアドバイスをしてくれます。
また、採用企業が初めて採用する職種の場合は、設定している給与基準が転職市場の相場と合っていない可能性もあります。
その場合、転職エージェント経由の応募であれば、転職エージェントが採用企業側に合理的なデータをもとに適正な年収を交渉してくれることも期待できます。
メリット③ 交渉が苦手な人でも安心して年収アップを狙える
日本ではまだまだ給与交渉が一般的でないため、給与交渉が苦手な人もいます。
そんな人にとっては、「企業と直接給与について話すのがプレッシャー」になることも。
転職エージェントを利用していれば、転職エージェントがこのような交渉を代行してくれるため、心理的負担を減らしつつ、適正な給与を確保できます。
オファーレター受領後に確認すべき3つの重要ポイント

オファーレター(採用通知書)を受け取ったら、給与や手当、契約条件を慎重にチェックし、不明点があれば速やかに確認・交渉を行うことが重要。
ここでは、外資系企業からオファーレターを受領した際に、確認すべき重要な3つのポイントについて説明します。
ポイント① 固定給・インセンティブ・ボーナスの詳細をチェック
オファーレターには、基本給(ベースサラリー)と変動給(ボーナスやインセンティブ)が明記されています。
外資系企業では年俸制が一般的ですが、ボーナスは年棒の一部(年俸を16分割して、夏と冬に2ヶ月ずつ支給など)の場合もあれば、基本給とは別に業績に連動して支給される場合もあります。
✅ チェックポイント
- 基本給: 固定給の部分。ここが低いと安定性が欠けます。
- ボーナス:基本給とは別途支給されるのか?支給基準は?
- インセンティブ: 何の要素に連動した報酬なのか?
- ストックオプション・RSU(譲渡制限付き株式ユニット):権利が付与される条件(在籍期間など)は?
例えば、年収総額が1,200万円のオファーでも、基本給800万円+インセンティブ400万円 なら、保証されている年収は800万円ということになります。
この構成を理解せずに転職すると、思っていた収入と実際の手取りが異なるケースが発生します。
また、変動給(ボーナスやインセンティブ)は、支給されるタイミングも必ずチェックしましょう。
一例として、わたしが経験したトラブルを紹介します。
ある外資系企業に転職した際に、オファーレターの年収総額には基本給とボーナスの内訳が記載されており、金額は問題なかったのでサインしました。
その後、転居を伴う転職だったこともあり、不動産業者に年収証明書を提出する必要があったため、企業側に入社初年度の予定年収の証明書を依頼しました。
証明書を受領し、内容を確認してみると、オファーレターに記載されていたボーナスの金額とは違っていたことが判明。
オファーレターの内容を違っていることを指摘しましたが、「ボーナスが支給されるのは在籍2年目になってからで、オファーレターの総額は入社2年目以降の金額になる」との説明がありました。
オファーレターにはボーナスの支給タイミングは記載されていなかったため、こちらとしては初年度から支給対象の認識であることを転職エージェントを通じて伝えてもらいました。
転職エージェントがうまく話をまとめてくれましたので事なきを得ましたが、これ以降ボーナスの支給条件・タイミングについては必ず確認するようになりました。
また、ボーナスの条件が「⚪︎%」とだけ記載されており、月収の⚪︎%なのか、年収の⚪︎%なのか明確ではなかったこともありました。
ボーナスやインセンティブの支払い条件は、法令で条件が定められている基本給とは違って企業の裁量によって決まります。
変動給の支給条件は必ず事前に確認して、後から「こんなはずではなかった」という事態を避けましょう。
また、基本給(月給)については、当月払いの企業もあれば翌月払いの企業もあります。
わたしは11社に勤務しましたが、そのうち、8社が当月払いで3社が翌月払いでした。
当月払いの企業から翌月払いの企業に転職した場合、約2ヶ月間収入がない状態になりますので、必要に応じて生活資金を準備しておきましょう。
ポイント② 残業代・各種手当・福利厚生の条件を確認する
残業代が含まれているケース(みなし残業) や、日系企業に比べて福利厚生のメニューが少ない場合があります。
✅ チェックすべき福利厚生項目
- 残業代の支給ルール: みなし残業込みか、別途支給か?
- 住宅手当・家族手当:外資系では支給されないことも多い
- 退職金制度: 制度がない外資系も多いので注意
- 特別休暇:日系で当たり前のお盆・年末年始の休暇とは異なる場合もあり
- 有給休暇・疾病休暇 : 疾病休暇は日系にはあまりない制度のため、ルールを確認
例えば、年俸1,000万円でも、「残業代込み」の場合、実際の労働時間を考えると手取りが少なくなる可能性があります。
これらの条件をきちんと確認した上で、給与を交渉しましょう。
ポイント③ 試用期間・解雇の条件の内容を理解する
確認すべきポイント
- 試用期間 :3ヶ月〜6ヶ月が一般的。6ヶ月を超える期間が設定されていないか確認
- 解雇条件 : 解雇できる条件が設定されていないか確認。予告がある場合は何ヶ月前の予告になっているか確認。
- 退職後の競業避止義務:「退職後1年間は同業他社で働けない」などの制約がないか確認
解雇条件については日系企業のオファーレターではあまり見慣れないので補足します。
解雇条件とは、企業が「⚪︎日前の予告による解雇または ⚪︎日分の予告手当ての支払いによる即時解雇」ができる条件になります。
わたしの経験では、予告期間は30日から6ヶ月までと企業ごとに幅があり、オファー面談の交渉で30日を60日にしたこともあります。
仮に解雇となった場合は転職先を確保するまでに3ヶ月以上はかかることが予想されます。
提示されている報酬額と解雇のリスクのバランスを見て、予告期間を確認・交渉しましょう。
カウンターオファーを受けたときの判断基準

転職先との給与交渉も無事終わり、現職に退職を申し出たところ、カウンターオファーを受ける場合もあります。
「カウンターオファー」とは、退職しようとする社員を引き止めるために雇用条件の改善を提案されることをいいます。
ここでは、カウンターオファーを受けた時の判断基準について説明します。
①転職理由とカウンターオファーの内容を照らし合わせる
よくある転職理由とカウンターオファーのリスク
転職理由 | カウンターオファーの落とし穴 |
給与が低い | 一時的な昇給で、将来的にまた不満が出る可能性 |
人間関係の問題 | 給与が上がっても職場環境は変わらない |
キャリアアップ | 今の会社での昇進ルートやキャリアアップの機会が不明確 |
例えば、「給与が上がるなら残る」と決めても、昇給が一時的なものだったり、評価制度が変わらない限り、将来また同じ理由で不満が出る可能性があることを考えましょう。
ロバート・ウォルターズの調査によると、カウンターオファーを受けた人の39%が1年以内に転職活動を再開 しています。
つまりカウンターオファーを受けた人の約4割はカウンターオファーの効果がなかったことになります。
②カウンターオファーが本当に実現するのかを見極める
「給料を上げるから残ってほしい」
「来年は昇進させるから残って欲しい」
と言われた場合、本当にその昇給・昇格が実現するのか?、その提案に実質的な意味を持つのか? を確認することが大切です。
例えば、
- 「今回だけ特別に昇給する」→ 将来的な昇給は保証されないかもしれない
- 「役職を与える」→ その役職に明確な権限がないかもしれない
勤務先はあなたを残留させることにより、代わりの人材を採用するコストを抑えることができます。
勤務先が本当にあなたの今後のキャリアを想って提案してくれているのか、金銭的に合理的な選択肢として提案しているのか見極める必要があります。
③残留した場合の評価・キャリアの影響を考える
残留を決めたとしても、退職を申し出た社員に対して企業はどのような感情を抱くのでしょうか。
企業側は「この人はいつまた辞めるかわからない」と考え、今後の昇進や重要なプロジェクトを任せることを避けるかもしれません。
例えば
- 上司が「辞めようとした人」として扱う →今後の評価でマイナスのバイアスがかかる
- 重要な仕事を任されなくなる → キャリアが停滞する
わたしがカウンターオファーを一度も受諾したことがないのは、このように一度退職の意思を伝えるとキャリアの停滞を招くおそれがあるからです。
報酬の改善は、実現したときはとてもありがたく感じます。
しかし、わたしの経験では、その効果は長くは続かず、数ヶ月もするとその待遇が当たり前のように思えてしまうものです。
カウンターオファーを受けて現職に留まることと、転職先で新たな挑戦をすることを長期的な目線で比較検討しましょう。
まとめ&転職エージェント活用のおすすめ
外資系転職の給与交渉では、「こんなこと言っていいの?」って不安になりますよね。
でも、給与交渉を行う際にこの記事のポイントをおさえておけば、給与交渉をスムーズに進められるはずです。
大事なのは、「タイミング」と「伝え方」。しっかり準備をすれば、年収アップのチャンスはグッと高まります!
この記事のポイントのおさらいです!
- 外資系企業では給与交渉が一般的だがNG行為には注意しよう!
- 交渉のベストなタイミングは「内定後のオファー面談」
- 事前準備が大切!市場相場のリサーチと実績の整理を忘れずに
- 交渉はスマートに:「論理的に伝える」「他社オファーを活用する」「強気すぎず柔軟に」
- オファーレターは要チェック!基本給・ボーナス・福利厚生・試用期間・解雇の条件等を確認
- カウンターオファー(引き止め)を受けたら、冷静に転職理由と照らし合わせて判断
「給与交渉なんて苦手…」
「希望額を伝えるのが不安…」
そんな方は、外資系に強い転職エージェントを活用するのがおススメです!
転職エージェントを活用するメリット:
- 企業ごとの給与テーブルを熟知しているから、無理のない範囲での交渉が可能!
- 交渉のプロが間に入るので、企業と直接やりとりする必要なし!
- 市場価値に合った適正年収をアドバイスしてくれるので、無用な心配をしなくてOK!
私自身、外資系に4回転職しましたが、転職エージェントを使ったときの方が、年収アップ率が高かったです。
転職エージェントが企業と交渉してくれるので、気まずくなることもなく、スムーズに話をまとめていただきました。
「今の会社でキャリアを続けていていいのかな…」と迷っているなら、まずは転職エージェントに相談してみませんか?
話を聞くだけでも、あなたの市場価値がわかって、次の一歩が見えてくるはずです。
この記事が給与交渉に悩む人にとって少しでもお役に立てば幸いです。
最後までご覧頂きありがとうございました!