転職サイトやSNSを通じて外国人の転職エージェントから面談の依頼があった場合、どの様に対応すれば良いのでしょうか?
わたしはこれまで30社以上のエージェントと面談し、現在もお付き合いさせて頂いているキャリアコンサルタントのうち、半数以上が外国人になります。
前々職(9社目)の勤務先も外国人の転職エージェントのサポートによりオファーをいただきました。
この記事を読めば事前に気を付けるべきポイントが整理でき、英語面談であってもキャリアコンサルタントのサポートの引き出せる面談をおこなうことができます。
なお、前回の記事では転職エージェントとの英語面談の内容と質問例を解説していますので、ぜひあわせてご覧ください。
それでは解説していきます!
転職エージェントとの英語面談:面談の注意点
面談の注意点① 時間厳守
外国人のキャリアコンサルタントは日本人と比較するとカジュアルな方が多いと実感しています。
しかしながら、ビジネスマナーについては、通常の面談と同様に気を付けましょう。
特に時間については、キャリアコンサルタントの多くは多忙であり、多数の求職者に対応しています。
時間にルーズであるという印象を与えてしまうと今後のサポートにも影響で出かねません。
有意義な面談となるように、面談の開始時間は余裕をもって対応する様にしましょう。
面談の注意点② 転職の目的と希望の優先順位を明確にする
転職エージェントのサポートを最大限に引き出すには、あなたの転職意欲度が高い、ということを示すことが重要です。面談の前に以下のポイントをまとめておきましょう。
- なぜ現職を離れるのか?
- 自分の強みは何か?
- 志望するポジション・業界とその理由
- 妥協できない条件など
現職での条件がよほど悪くない場合を除く、希望のすべてを満たす求人はなかなかないものです。
また、あまりに事前に厳しい条件を伝えてしまうと、キャリアコンサルタントも積極的に案件を紹介することを躊躇することになりかねません。
自分の希望を伝えることは重要です。
しかし、今回の転職の一番の目的を特定して、妥協できるもの、できないものを明確し、優先順位を伝えることをおススメします。
面談の注意点③ 不満を言い過ぎない
転職活動を始めた理由が現職への不満という方は多いと思います。わたしも実際にその経験はあります。
リストラなどの場合は、そのまま事実を伝えることで問題ないかと思いますが、キャリアコンサルタントには可能な限りポジティブな表現に置き換えて転職理由を伝えるのがおススメです。
コンサルタントも現職の不満を言いながら活動している人よりも、ポジティブに次のチャレンジを模索している人をサポートしたい、と考えるからです。
面談の注意点④ 書類は事前に共有する
面談を効率的に進めるためにも、英文レジュメ(職務経歴書)は前もって共有しておきましょう。
特に英語での面談に慣れていない場合は、書面による視覚的な情報があった方が経歴の説明もスムーズにおこなうことができます。
また、事前に英文レジュメをレビューしてもらうことによって、面談の場で改善点かないかフィードバックをもらうことも可能になります。
面談の注意点⑤ 電話面談よりもWeb面談
可能であれば直接会うことをおススメしますが、現在はWeb面談か電話面談が主流になっているかと思います。
この2択であれば、Web面談をおススメします。理由は2つあります。
相手の表情が見えた方が、(特に英語の場合)コミュニケーションが取りやすいことがひとつ。
もうひとつは、やはり視覚的な情報があった方が相手の印象に残りやすいからです。
多数の登録者の抱えるコンサルタントに印象に残る面談をおこなうことが重要です。
そのためには、やはり電話よりも表情の印象が残るWeb面談の方がより効果的でしょう。
面談の注意点⑥ 複数の転職エージェントと会う
転職エージェントもキャリアコンサルタントもそれぞれの特徴や強みがあります。
また、正直コミュニケーションの相性もあると思います。したがって、複数の転職エージェントと面談し、自分の志向やコミュニケーションスタイルに合ったパートナーを探してみましょう。
また、わたしの実感としては、外国人エージェントの方が情報や考え方がやや属人的な印象がありますので、複数のエージェントから情報を提供してもらうことがおススメです。
面談の注意点⑦ 転職エージェントは採用企業のエージェントであることを意識する
求職者は転職エージェントのサービスを無料で利用することができます。(転職エージェントのビジネスモデルはこちらの記事で詳しく解説しています。)
しかしながら転職エージェントのビジネスは採用企業からの成功報酬・紹介手数料があって成立しているビジネスです。
したがって、わたしは転職エージェントは採用企業のエージェント、という意識を持っています。
端的に言うと、転職エージェントにしてみれば、自社が紹介した人材であれば誰が採用されても良いわけです。
また、転職エージェントとしては、可能性のある人材はできるだけ多くエントリーさせたい、と考えているでしょう。
その前提のなかで、転職エージェントから十分なサポートを得るにはやはり面談と日々のコミュニケーションの中でポジティブで柔軟な候補者である印象を残すことが重要になります。
また、応募しても転職エージェントから案件のフィードバックが遅い又はないという不満も良く聞かれます。
わたしの転職活動記録でもご覧になれますが、外資系エージェントのフィードバックの回収率は日系エージェントと比較してとても低いです。
ビジネスマナーとしてはいかがなものか、とも思いますし、わたしも以前は進捗を確認したりもしていました。
しかしながら、それで良い結果が得られたことは一度もありませんでした。
したがって、わたしは一定期間内にフィードバックがない場合は、次の機会・案件に気持ちを切り替えるようにしています。
面談の注意点⑧ 実績は数字で伝える
キャリアコンサルタントや採用企業はあなたの勤務先の状況を直接見ている訳ではありません。
所属部門の人数、扱っている取引額、年間処理している案件数など、可能な限り自分の実績は具体的な数字を使って説明しましょう。
STAR面接の手法を用いて説明することも有効です。STAR面接についてはこちらの記事で詳しく紹介しています。
転職エージェントとの英語面談:面談後のフォロー
お礼メールの送信
面談終了後、キャリアコンサルタントからメールでお礼や今後の予定、紹介案件など連絡があるかと思います。
連絡を待つだけでなく、こちらからも積極的に連絡するようにしましょう。
お礼のメールでは以下の内容をカバーします。
- 面談のお礼
- 面談内容の要約
- 面談で伝えた・伝えきれなかったスキル・実績
- 希望する条件
- 次のアクションの確認
- 修正版の英文レジュメ(面談で何か改善案があった場合)
もちろんキャリアコンサルタントも面談の内容は記録していますが、こちらからも共有することにより認識の相違を避けることができます。
また、キャリアコンサルタントに対応が丁寧なビジネスパーソンである印象も与えることができます。
面談後の英文お礼メールの例文
こちらではわたしが実際にキャリアコンサルタントとの面談後に送っているお礼メールを紹介させていただきます。
各項目の解説は例文の下にあります。
Subject: Thank you for your time and advice
①Dear XXX,
Thank you very much for taking the time to speak with me today. It was great to learn more about your services and the current job market.
[本日はお話するお時間を頂戴し、ありがとうございました。御社のサービスと現在の転職市場についてより詳しく知ることができたことはとても有意義でした。]
②To follow up on our meeting today, please let me share with you a recap of the points we discussed today.
[本日の面談のフォローアップとして、本日お話させていただいたポイントの要約を共有させていただきます。]
③Job expectations: I am interested in a XXX position in XXX industry. My salary expectation is XXX yen.
[希望条件:XXX業界のXXXのポジションを希望しています。希望年収はXXX円です。]
④My strengths and skills: XXX, XXX, and XXX
[私の強みとスキル: XXX、XXXおよびXXXです。]
⑤Attached please find the revised resume. I appreciate your feedback.
[修正版の英文レジュメを添付いたします。フィードバックありがとうございました。]
⑥Next step: You will share with me some available positions by XXX.
[今後のステップ:XXXまでに現在応募可能なポジションを共有していただく。]
Please let me know if you have any questions. I look forward to working with you.
[何かご質問などございましたらご連絡ください。今後ともよろしくお願いいたします。]
Thank you,
⑦[名前]
[メールアドレス]
[電話番号]
ポイント①:ここではキャリアコンサルタントのファーストネーム(名前)で問題ありません。
ポイント②:面談で話した内容の要約を共有しましょう。
ポイント③:希望しているポジション、業界、年収などを念のため再度伝えます。
ポイント④:面談で伝えたもの、伝えられなかったものも含めて改めて自分の強みとスキルを共有します。
ポイント⑤:面談で英文レジュメについて改善ポイントのアドバイスがあった場合、修正した英文レジュメを共有します。
ポイント⑥:面談で今後のステップについて話があった場合、ここで改めて伝えます。
ポイント⑦:転職エージェントからは今後緊急の連絡も想定されます。念のため、自分の連絡先をこのメールにも記載しましょう。
まとめ
この記事では、わたしの経験から転職エージェントとの英語面談の注意点と面談後のフォローの方法について解説しました。
面談にのぞむ前に気を付けるべきポイントが整理し、英語面談であってもキャリアコンサルタントのサポートの引き出せる面談をおこなうようにしましょう。
面談にキャリアコンサルタントに対してポジティブな印象を与えることができたら、きっとあなたに合ったポジションが出てきたときに、あなたのことを真っ先に思い出すことになるでしょう。
前回の記事では転職エージェントとの英語面談の内容と質問例を解説しました。ぜひこちらもご覧ください。
また、外資系・グローバル企業への転職にはわたしの経験から、ロバート・ウォルターズ、アージス・ジャパン、MS-Japan等の転職エージェントを利用されることをおすすめします。[PR]
最後まで読んでくださりありがとうございました!