わたしは40代で4回、50代で2回の転職を経験しましたが(プロフィール)、そのうち4回は転職エージェントのサポートによって実現しました。
転職サイトや直接応募も利用しましたが、20代、30代の頃の転職活動とは異なり、ほとんど書類選考を通過することができませんでした。
ミドル世代になって改めて転職エージェントのサポートを受けるメリットを実感しました。
- 転職エージェントのタイプと特徴
- 転職エージェントは何社登録すべきか?
- 転職エージェントとのコミュニケーションで気を付けるべきポイント
転職エージェントの利用を検討している方にとって有益な情報になりますので、ぜひ最後までご覧ください。
それでは解説していきます!
転職エージェントのビジネスモデル
職業紹介事業者は17,000社あるという統計があります。
わたしがこれまで登録させていただいたところは30社以上で、今でも定期的に連絡があるのは10社から15社程度になります。
わたしの場合、登録に至るパターンで一番多いのは、職務経歴を登録している転職サイト、Linkedin等のSNS経由でコンタクトされる方法でした。
求職者、転職エージェント、応募企業の関係は以下の図のとおりです。
- 採用企業が採用したい人材の採用条件を転職エージェントに伝えて紹介依頼をおこなう。
- 転職エージェントは自社に登録している求職者の中から採用条件にマッチしている人材に募集ポジションの情報を共有し、応募を促す。(転職エージェントがLinkedIn等のSNSや転職サイトを通じて自社に登録していない人材にコンタクトする場合もあります。)
- 求職者は転職エージェントを通じて応募依頼をおこない、転職エージェントは採用企業に対して求職者の推薦をおこなう。
- 転職エージェントは選考プロセスにおいて、採用企業と求職者の間に入り、面接のセッティング、条件交渉などをおこなう。
- 求職者が採用された場合、採用企業は転職エージェントに成功報酬を支払う。(採用された人材の年収の30~40%程度といわれています。)
転職エージェントと上手に付き合うにはこのビジネスモデルを把握する必要があります。
求職者が転職エージェントのサービスを無料で使用できるのは、採用企業が転職エージェントに成功報酬を支払うビジネスモデルだからということを理解しましょう。
転職エージェントとの付き合い方① 転職エージェントのタイプと特徴を把握する
転職エージェントとひとことで言っても様々なタイプがあります。
わたしがこれまで登録していた転職エージェントの3つのタイプとそれぞれの特徴、メリット・デメリットを紹介します。
- 総合デパートタイプ
- 専門店タイプ
- 個人商店タイプ
転職エージェントのタイプ① 総合デパートタイプ
特徴:dodaエージェントサービス、リクルートエージェント等の数多くのキャリアアドバイザーを抱え、取り扱う業種、職種、年代も幅広く、まずは選択肢にいれるべきタイプ。
- 豊富な求人案件を有する。
- 大手としての実績・ノウハウをベースにしたサポートが得られる。
- サイトが使いやすい。各種テンプレートも豊富
- 数多くの求職者が登録しているため、スキル・経歴がないと埋もれる可能性がある。
- 応募件数が少なかったり、選考通過率が低いと一定期間(3か月から12か月程度)でサービスを終了されることがある。
- 転職回数と年齢を厳しく見られる。
転職エージェントのタイプ② 専門店タイプ
特徴:ロバート・ウォルターズ、アージスジャパン等の外資系企業に特化したタイプやMS-Japan、弁護士ドットコムキャリア等の業界、職種に特化したタイプ。
狙っている業界や専門性の高いスキルがある場合は登録すべきタイプ。
- 特定の業界や職種に詳しいキャリアアドバイザーが在籍しているため、より具体的なアドバイスが期待できる。
- 総合デパートタイプよりもキャリアアドバイザーの距離感が近い。
- 高収入案件が多い。
- 取り扱う業種、職種が総合デパートタイプよりも少ない。
- 転職エージェントによってはサイトが使いづらい。
- 登録のハードルがやや高い
具体的に筆者が登録している専門店タイプの転職エージェントを以下の記事で詳しく解説しています↓
登録10年の筆者が解説:管理部門特化型エージェントMS-Japanの評判は? ミドル世代におススメ?
登録5年の筆者が解説:外資系・グローバル企業に特化したエージェント 【ロバート・ウォルターズ】の評判は? ミドル世代におススメ?
転職エージェントのタイプ③ 個人商店タイプ
特徴:個人または少数でパイプの太い企業案件を扱っているタイプ。
転職活動に不安を抱えていて、求職者に寄り添ってくれるような転職エージェントを探している場合は登録すべきタイプ。
- 採用企業との密なコミュニケーションを重視しており、採用企業の課題等を把握している。
- 応募書類のチェックや面接指導などの個人的なサポートが期待できる。
- パイプの太い採用企業に対してポジションを逆提案してもらえることがある。
- 紹介案件数が少ない(継続的な関係を維持するのが難しい)。
- エージェントに関する情報が少なく、自分の希望業種・職種に合ったエージェントを見つけるのが難しい。
転職エージェントとの付き合い方② 転職エージェントは何社登録すべきか?
転職エージェントのそれぞれのタイプで強みと弱みがあります。
わたしの経験上ミドル世代は、すべてのタイプを網羅しながらできるだけ多くのエージェントに登録することをおススメします。
40代以上の転職では紹介案件数も20代、30代と比較して少なくなりますので、それほど各エージェントとのやりとりが多くて困る、ということも少ないかと思います。
もし大変だと感じたら自分の相性の良いと思えるところを後から絞ることも可能です。
転職エージェントとの付き合い方③ 転職エージェントとのコミュニケーションで気を付けるべき7つのポイント
転職エージェントが求職者のサポートを無料で行ってくれることは求職者にとっては大きなメリット。
しかしながら、転職エージェントにとっては「採用企業からの依頼に応えること」が最大のミッションになります。
したがって、採用プロセスにおいては、採用企業側の都合・事情が優先されるということは認識しておきましょう。
わたしの場合はこれらの事情と自分の現在の市場価値を意識しながら転職エージェントからのサポートを120%引き出す意識でお付き合いしています。
自分を安売りする必要はまったくありませんが、お互いのゴールのためにWIN-WINの関係を構築していきましょう。
- 可能な限り直接会う
- 希望の優先順位を共有する
- 求人案件は口頭でも説明を受ける
- 他の選考状況は正直に伝える
- 返信は迅速におこなう
- こちらからも連絡する
- 最終的に決断するのは自分
それでは順番に説明します。
ポイント① 転職エージェントとは可能な限り直接会う
キャリアアドバイザーは応募書類を採用企業に提出する際に候補者の推薦状を添えることが一般的です。
もちろんキャリアアドバイザーもプロなので、応募書類や電話でのヒアリングでもある程度の情報を把握することはできます。
しかしながら、「人の印象は見た目が〇割」という説もあります。
自分自身のことをより知ってもらって充実した推薦状を書いてもらうためにやはり直接会うか、Web面談をおこなうことをおススメします。
転職エージェントとの英語面談については以下の記事で詳しく解説しています↓
ポイント② 転職エージェントに自分の希望の優先順位を共有する
自分の希望をすべて満たす案件はまずありませんし、あまり多くの希望を伝えると案件もあまり紹介されなくなってしまいます。
一方で、自分の中で譲れないポイントは明確にしておかないと転職エージェントのペースで転職活動をおこなってしまいかねません。
転職エージェントとの面談を通じて自分の市場価値を把握しながら、自分の優先順位を整理して共有しましょう。
ポイント③ 興味のある求人案件はメールだけではなく口頭でも説明を受ける
転職エージェントによって案件の紹介方法は様々ですが、定型フォーマットやメールでの案内が多いのではないでしょうか。
日系エージェントは定型フォーマットでの紹介が多く、外資系エージェントはフリーフォーマット(メールや電話)での紹介が多い傾向になります。
いずれの場合も、もし興味がある案件を受け取った場合は、電話や面談でも案件の詳細を聞いてみることをおススメします。
文章では表現しにくいポイントや文章には残せない情報があるかもしれませんし、その場で質問もできます。
ポイント④ 他の選考状況はキャリアアドバイザーに正直に伝える
もし複数の企業の案件が同時進行している場合はそれぞれの転職エージェントに正直に伝えることをおススメします。
先行している企業には待ってもらう必要があり、遅れている企業にはスケジュールを前倒ししてもらう必要があるからです。
ただし、選考中の企業名までは共有する必要はないと考えています。
というのは、過去に2社から同時にオファーをいただいたときのケースですが、それぞれのエージェントから他方の採用企業のネガティブキャンペーンをされてしまったことがあり、非常に困りました・・・
また、応募しているポジションが非公開案件の場合もありますので、他のエージェントへの情報共有には注意しましょう。
ポイント⑤ 選考中の返信は迅速におこなう
選考中は面接日の設定、提出書類の依頼等の目的でキャリアアドバイザーから連絡してくることもあるかと思います。
採用企業の人事や面接官も多忙であることが予想されるため、可能な限り早めに返信することをおススメします。
返事が遅れてしまうと、他の候補者に自分が希望していた日時が押さえられてしまう可能性もありますし、採用企業の印象もマイナスになりかねません。
ポイント⑥ 定期的に応募書類をアップデートし、こちらからも転職エージェントに連絡する
転職エージェントには日々新しい求職者が登録されます。
紹介案件や応募案件がない期間が続くと疎遠になってしまいがちです。
継続的に案件を紹介してもらうためにも、こちらからも応募書類をアップデートした、ということを理由に定期的に連絡を取ってみましょう。
タイミングが合えば、今後募集を開始するポジション等の情報を共有してもらえることもあります。
ポイント⑦ 最終的に転職を決断するのは自分
人材の採用においては、採用企業、転職エージェント、求職者の三者でそれぞれの目的がありますが、内定・オファーを勝ち取ったあとはもう一度自分の転職の目的を振り返って受諾するかどうか検討しましょう。
採用企業や転職エージェントに感謝の気持ちをもつことは大事です。
しかし、最後は自分の責任で検討しないと、転職後になんらかのギャップを感じたときに他責思考になりがちになります。
現職に留まることと転職することのどちらが自分のキャリアにおいて有益なのか自分自身で判断されることをおススメします。
まとめ
以上、転職エージェントのビジネスモデルと上手な付き合い方を紹介しました。
ミドル世代の転職活動では採用企業側の求める基準も高くなるため、転職エージェントのサポートが非常に有効です。
転職エージェントには様々なタイプがありますので、ぜひすべてのタイプの転職エージェントに一度登録し、自分の転職活動に合ったタイプを見つけてみてください。
また、この記事で紹介した転職エージェントとの付き合い方を参考にして頂き、キャリアアップのために長期的に良い関係を構築しましょう。
筆者おすすめの転職エージェント [PR]
実際にわたしが登録して応募・面接のサポート、オファーの条件交渉などを行っていただいたエージェントになります。これらの転職エージェントには40代以降になっても求人案件をご紹介いただいています。
それぞれ別の記事でも詳しく解説していますので、よかったらあわせてご覧ください。
MS-Japan(エムエスジャパン)
MS-Japanは管理部門の職種に特化した転職エージェントです。わたしは登録して10年以上になりますが、登録していて実感しているメリットは以下の5つです。
- キャリアアドバイザーの質が高い
- 優良な案件が多い
- 日系・外資系両方の案件を扱っている
- 管理部門の案件を専門的に扱っている
- ミドル層のみではなくシニア層(50歳以上)の案件にも力を入れている
職種専門型の転職エージェントになりますので、他の総合型エージェントとの併用をおススメします。
ロバート・ウォルターズ
ロバート・ウォルターズはロンドンに本拠地を構える外資系・グローバル企業特化型エージェントです。
わたしは5年以上登録しておりますが、ここ数年はわたしのお付き合いのある転職エージェントの中で一番多くの案件をご紹介いただいています。
わたしが実感しているロバート・ウォルターズのメリットは以下の5つです。
- 外資系の案件が豊富
- 他の外資系特化型エージェントと比較してキャリアコンサルタントの質が高い
- 優良・高収入の案件が多い
- ミドル・シニア層の案件も比較的多い
- 実務経験があればTOEICのスコアを問われない
外資系企業を選択肢に入れている方は登録必須の転職エージェントと言えると思います。
エンワールド・ジャパン
エンワールドも外資系・グローバル企業特化型エージェントで、わたしは登録して10年以上になります。入社後の活躍までサポートすることをアピールしており、わたしも実際に入社後にトラブルを解決していただいたことがあります。
わたしが実感しているエンワールドのメリットは以下の5つです。
- 外資系・グローバル企業の案件に特化
- 転職後のフォロー体制が充実
- 他の外資系特化型エージェントと比較してキャリアコンサルタントの質が高い
- 優良・高収入の案件が多い
- ミドル・シニア層の案件も比較的多い
最後まで読んでくださりありがとうございました。