いまの会社・仕事に色々な問題を抱えていても、
「転職して失敗したらどうしよう・・・」
と不安を感じて転職活動を開始できない方もいらっしゃると思います。
漠然した不安を抱えたままにしていると、そのまま問題を先送りにしてしまい、ビジネスパーソンとしての貴重な時間を過ごすことになります。
そこでこの記事では転職10回の筆者(プロフィール)が実際に経験した失敗事例と失敗から学んだ5つのポイントを自戒を込めて紹介します!
この記事を読めば、転職活動をおこなう際に気を付けるべきポイントがわかり、失敗への対処法を事前に検討することができます。
わたしの転職失敗事例
- カルチャーギャップ
- 未経験業種への転職
- リファラル採用での転職
- 新規事業・新設部門への転職
転職失敗事例① カルチャーギャップ
ひとによっては失敗とまでは考えられないかもしれませんが、非常に苦労した経験がありますので失敗事例として紹介させていただきます。
日系ベンチャー企業に転職したときの話ですが、口コミサイトでも概ね高評価の企業で、上司・役員との面接では特に違和感を感じなかったため、入社を決めました。
しかしながら、いざ入社してみると、仲良しサークル的ノリの社風に馴染めず苦労しました。。。
また、外資系企業から日系企業に転職したときは、その企業の体育会的、官僚的なカルチャーに若干の息苦しさを感じたこともありました。
経営者が発信しているSNSやインタビューでそのヒントが得られると思いますので、チェックすることをおすすめします。
また、採用選考の過程で、面接官とは別に自分の役職や年齢に近い社員とのカジュアル面談を実施してもらうこともおすすです。
他にカルチャーギャップ(違和感)を感じるポイントを自身の経験から整理しますと以下の項目があります。
- 堅実経営 vs スピード経営
- トップダウン vs ボトムアップ
- 自分の年齢 vs 社員の平均年齢
- 新卒社員メイン vs 中途入社社員メイン
- 首都圏 vs 地方都市
- B to B業界 vs B to C業界
- デジタル文化 vs 紙文化
- 日本の習慣 vs グローバルスタンダード
これらのポイントにおいて、自分が働きやすいと思える環境か確認してみましょう。
転職失敗事例② 未経験業種への転職
わたしはこれまでのキャリアではほぼ同じ業界内で転職してきましたが、前職では未知の異業種に転職しました。
家庭の事情でUターンする必要があり、タイミングよくその地域の企業から転職エージェントを通じてオファーをいただいたことがきっかけでした。
選考過程ではもちろん業界知識ゼロであることの共通認識を確認したうえで内定をいただき入社させていただきました。
新設部門のマネージャーポジションだったのですが、20年、30年の業界経験を持つ他部門のベテランの方々と仕事を進める機会が多く、恥ずかしながら期待以上の成果を出すことができませんでした。
少しずつ小さな実績を積み重ねて行く思いで努力はしましたが、これ以上在籍しても貢献できる自信がなかったので1年未満で退職させていただき、元の業界に戻ることにしました。
採用してくださった企業には申し訳ない気持ちでいっぱいです。
反省点としては、経験・知識のない業界に安易に飛び込んでしまったことが一番大きいです。
また、新設部門であったため、選考過程において該当するポジションの業務に詳しい面接担当者がいなかったことも一因であった様に思います。
転職失敗事例③ リファラル採用での転職
「リファラル採用」とは、採用企業が自社の社員の知人に応募してもらう採用方法です。
わたしの場合は、前々職の先輩が当時ある企業の執行役員を務めていまして、その方からのお誘いで転職しました。
執行役員の紹介ということで、通常の採用プロセスは省略され、面接は人事の採用担当者とのカジュアル面談と社長との面接のみでした。
入社後、新しい職場で粛々と人間関係の構築と業務の習得を行っていたところ、1か月経ったところで紹介して下さった先輩が社長の経営方針との相違から突然退職してしまったのです。。。
リファラル採用の場合、良くも悪くも「〇〇さんの紹介ではいってきた人」というイメージがつきます。
その紹介者が去ってから新たに人間関係を構築し、仕事ぶりや成果を認めていただくまでに通常の転職以上に苦労した記憶があります。
なかなか入社前から採用企業内の人間関係まで把握することは難しいですが、リファラル採用にもリスクがあることを実感した事例でした。
面接対策が大変にはなりますが、紹介であっても通常の採用プロセスで選考をおこなってもらった方が良かったかもしれません。
転職失敗事例④ 新規事業・新設部門への転職
この事例に関しては最終的には問題とならなかったのですが、失敗事例になりうる経験でしたので、参考までに紹介させていただきます。
外資系企業の新設部門に転職したときの事例です。その企業が将来の事業の柱のひとつとするべく新規事業に参画し、新しい部門を設立することになり、そのスタートアップメンバーとして入社することになりました。
事業計画上は最初の2年は投資フェーズで3年目から黒字化する目論見でしたが、なかなか結果が出ず3年目も赤字でした。
そのあたりから会社がその事業から撤退し、部門も閉鎖する噂がでてきて不安な日々を過ごしていました。
その後、幸いその新規事業からヒット作が出て事業が軌道に乗りましたが、そうでなければおそらくその部門は閉鎖されていたと思います。
もちろん企業によってはもっと長いスパンで新規事業を育てるところもあると思いますが、新規事業に関わる転職はリスクがあると学びました。
また、事業撤退・部門閉鎖と比較すると大きな問題ではないですが、入社後に既存部門から新規事業部門に対して風当りの強さを感じることもあり得えます。
経営的な観点からは新規事業を育てることは重要なミッションになりますが、既存部門が自分たちが稼いだ利益が新規事業につぎ込まれることを面白く思わない、といった感情によるものです。
新規事業にかかわる場合は、既存部門の貢献によって新規事業の投資機会をもらっていることに感謝する姿勢を見せることもコミュニケーション上必要かと思います。
転職で失敗しないための5つのポイント
- 自分の判断の軸をもつ
- 未経験の業種・職種は慎重に判断
- 業務の範囲を確認する
- 現職の状況との比較をおこなう
- Uターン以外の選択肢を考える
転職で失敗しないためのポイント① 自分の判断の軸をもつ
どんな企業・仕事にも良い点・悪い点があります。
どんな企業に転職しても転職直後にはカルチャーギャップによって新しい環境の悪い点を強く感じるものなので、「自分はなぜ転職するのか」という軸を持つことが重要です。
たとえば、「転職先で〇〇のスキルを〇年で習得するため」といったもので良いですし、待遇やワークライフバランスでも良いと思います。
転職を検討するときに、「とにかく今の会社を退職したい」という動機にフォーカスしてしまうと、転職先の評価が甘くなり、入社後にカルチャーギャップを感じる可能性が高くなります。
転職で失敗しないためのポイント② 未経験の業種・職種は慎重に判断
わたしの失敗事例②でも説明したとおり、未経験の業種・職種に挑戦する場合、これまでの経験・スキルを応用して実際に求めらるレベル以上の業務がこなせるのか慎重に検討する必要があります。
現職での実績が何によって実現できているのか分析することも重要です。業界経験や人脈への依存度が高い場合、未経験での業界ではそれらがリセットされることになります。
ただでさえ転職直後は新しい会社に馴染むためにエネルギーを費やすところに、未知の業界知識も同時に習得することは結構な負荷になります。
転職先の社員やその業界にいる知人にヒアリングしながら入社後のイメージを具体的に想像しながら検討するようにしましょう。
転職で失敗しないためのポイント③ 業務の範囲を確認する
とくに大手企業から中小・ベンチャー企業に転職するときによく起こる問題が業務範囲の認識の相違です。
たとえば経理部門であれば、大手企業では細分化された経理業務の一部分を担当することになります。
一方、中小・ベンチャー企業では経理担当が営業管理、総務、法務関連の一部の業務までカバーしているケースがあります。
求人票には具体的な業務内容が記載されていますが、業務のリストの最後に「これらに付随する業務」と書かれてあることも多く、その定義は企業によってばらつきがあります。
また、大手企業では部下や派遣社員が当たり前のようにサポートしてくれていた業務も自らおこなうことを求められるケースがあります。
転職で失敗しないためのポイント④ 現職の状況との比較をおこなう
転職活動をおこなっていると、どうしても隣の芝が青く見えてしまいます。
転職後のギャップを少しでも減らすためにも冷静に転職先と現職とのメリット・デメリット比較をおこなうことをおすすめします。
転職することによって、何を得て、何を失うのかリスト化しましょう。あらかじめデメリットも認識しておくことで、入社後の不安・不満と冷静に向き合うことができます。
ご参考までに、わたしの場合は以下のポイントを比較しています。
- 成長(昇進)機会
- 企業・業界の将来性
- 待遇・福利厚生
- ワークライフバランス
- 現職の人的資産 vs 転職先での新しい人間関係の構築
- 会社の知名度
- 金融機関からの融資(住宅ローン等は転職後はしばらく申し込みができなる可能性が高い)
- 勤務地
- 社風(もし実際にその企業で働いている知人がいれば)
転職で失敗しないためのポイント⑤ Uターン以外の選択肢を考える
失敗事例②で紹介した失敗談に関連しますが、家庭の事情でUターンしなければならない状況になったときの選択肢に関するポイントです。
わたしの場合は地元の未経験業界の企業からオファーをいただき、転職しました(しかしながら1年未満で退職しました)。
当時はその企業に転職する以外の発想はなかったのですが、いま思うと以下のような選択肢が検討できたのではないかと考えています。
- ダメ元で現職の会社にリモートワークでの勤務を申し出る
- 同業界または近い業界でリモートワーク可の転職先を探す
- 完全なUターンではなく、2拠点生活を検討してみる
転職したら失敗だった・・・まとめ
以上、わたしが実際に経験した失敗事例と失敗から学んだ5つのポイントを紹介しました。
転職活動のおこなう際にはぜひ以下の5つのポイントについて検討することをおすすめします。
- ポイント① 自分の判断の軸をもつ
- ポイント② 未経験の業種・職種は慎重に判断
- ポイント③ 業務の範囲を確認する
- ポイント④ 現職の状況との比較をおこなう
- ポイント⑤ Uターン以外の選択肢を考える
これらのポイントを検討したうえで転職先でキャリアアップも目指すのも良いですし、現職に留まることを決断するのも有意義な転職活動といえると思います。
この記事が少しでもみなさんの転職活動の不安を払拭する一助になれば幸いです。
最後まで読んでくださりありがとうございました。
筆者おすすめの転職エージェント(ミドル世代向け) [PR]
これまで転職10回の経験をもつ筆者のおすすめ転職エージェントを紹介します。
実際にわたしが登録して応募・面接のサポート、オファーの条件交渉などを行っていただいたエージェントになります。これらの転職エージェントには40代以降になっても求人案件をご紹介いただいています。
それぞれ別の記事でも詳しく解説していますので、よかったらあわせてご覧ください。
MS-Japan(エムエスジャパン)
MS-Japanは管理部門の職種に特化した転職エージェントです。わたしは登録して10年以上になりますが、登録していて実感しているメリットは以下の5つです。
- キャリアアドバイザーの質が高い
- 優良な案件が多い
- 日系・外資系両方の案件を扱っている
- 管理部門の案件を専門的に扱っている
- ミドル層のみではなくシニア層(50歳以上)の案件にも力を入れている
職種専門型の転職エージェントになりますので、他の総合型エージェントとの併用をおススメします。
ロバート・ウォルターズ
ロバート・ウォルターズはロンドンに本拠地を構える外資系・グローバル企業特化型エージェントです。
わたしは5年以上登録しておりますが、ここ数年はわたしのお付き合いのある転職エージェントの中で一番多くの案件をご紹介いただいています。
わたしが実感しているロバート・ウォルターズのメリットは以下の5つです。
- 外資系の案件が豊富
- 他の外資系特化型エージェントと比較してキャリアコンサルタントの質が高い
- 優良・高収入の案件が多い
- ミドル・シニア層の案件も比較的多い
- 実務経験があればTOEICのスコアを問われない
外資系企業を選択肢に入れている方は登録必須の転職エージェントと言えると思います。
エンワールド・ジャパン
エンワールドも外資系・グローバル企業特化型エージェントで、わたしは登録して10年以上になります。入社後の活躍までサポートすることをアピールしており、わたしも実際に入社後にトラブルを解決していただいたことがあります。
わたしが実感しているエンワールドのメリットは以下の5つです。
- 外資系・グローバル企業の案件に特化
- 転職後のフォロー体制が充実
- 他の外資系特化型エージェントと比較してキャリアコンサルタントの質が高い
- 優良・高収入の案件が多い
- ミドル・シニア層の案件も比較的多い