みなさんは「外資系企業」にどのようなイメージをお持ちでしょうか?
「社員全員が英語のネイティブスピーカー」
「厳しいノルマとドライな人間関係」
「解雇されるリスクが高い」
「給料が日系企業と比較して高い」
といったところでしょうか。
いま転職活動をおこなっていて、先入観から外資系企業を選択肢にいれていない方もいらっしゃるかと思います。
しかしながら、わたしの経験からそれは非常にもったいないと思います。
実は、わたしは新卒から日系企業でキャリアを歩んできましたが、当時の勤務先が倒産寸前となり、40代にして初めて外資系企業に転職しました。
その時はなりふり構わずといった状況だったのですが、外資系企業で勤務することにより、わたしのキャリア(待遇も含めて)はポジティブな意味で激変しました。
そこで、この記事では現在の会社も含めて外資系企業4社に転職した経験がある筆者(プロフィール)が、外資系企業の特徴と選択肢にいれるべき5つの理由についてわかりやすく解説します。
- 外資系企業の特徴
- 外資系企業を選択肢に入れるべき5つの理由
- 外資系企業への転職の5つのデメリット
それでは解説していきます!
外資系企業の特徴:外資系企業3つのタイプとそれぞれの特徴
わたしが実際に働いたことのある外資系企業の3つのタイプを紹介します。
外資系企業タイプ① 海外企業が100%出資して日本法人を設立したタイプ
特徴
まさにザ・外資系の企業文化をもつ、海外本社の企業文化が色濃く反映されているタイプ。
Google、Apple、Facebook、Amazonなどが代表的な例として挙げられます。
わたしはこのタイプの企業2社で働いた経験がありますが、社内のマニュアル・システムはほとんど英語で、社内コミュニケーションも日本語より英語の方が多い環境です。
業務の成果は細かくチェックされますが、それ以外のところは自主性が重んじられていると感じていました。
こんなひとにおすすめ
- 過去に外資系企業での就業経験があるひと
- 能動的でプレゼンテーション能力が高いひと
- プレッシャーに強いひと
- 高収入案件を狙いたいひと
- (日本に参入してきたばかりの企業の場合)自分の組織を作っていきたいひと
- 転職回数が多いひと
外資系企業タイプ② 海外企業が日系企業と共同出資して日本法人を設立したタイプ
特徴
外資系と日系企業のハイブリット型といえると思います。
オーナー企業のそれぞれの出資比率にもよりますが、日本法人オーナーの裁量・影響力が大きい企業もあります。将来的にどちらかのオーナー企業がもう片方の資本を買い取って、100%外資系または100%日系企業になる可能性もあります。
職種によっては国内関連の業務のみに従事し、ほぼ英語を使用しないケースもあり得ます。
こんなひとにおすすめ
- いきなり100%外資の企業への転職には抵抗を感じるひと
- 高い英語力が求められない案件を探しているひと
- 伝統的な日系企業に閉塞感をもっているひと
- 日系企業の各種制度に価値を感じるひと
外資系企業タイプ③ 海外企業が日系企業(またはその部門)を買収したタイプ
特徴
買収された企業が、いまどのフェーズにあるのかにもよりますが、オーナーの外資系企業が経営幹部を送り込み、みずからの企業文化・ルールを落とし込んでいるタイプ。
従業員は旧日系企業時代の人材が数多く残っているケースが多いです。
職種によってはほぼ英語を使用しないケースもあり得ますが、将来的には求められる可能性があります。
こんなひとにおすすめ
- 伝統的な日系企業に閉塞感をもっているひと
- 外資系企業での経験を活かしたいひと
- 企業の移行フェーズと自分のキャリアプランがマッチしているひと
- (新しい部門が設立される場合)自分の組織を作っていきたいひと
外資系企業を選択肢にいれるべき5つの理由
日系企業と外資系企業の両方で勤務経験のある筆者が、外資系企業を転職活動の選択肢に入れるべき5つの理由について解説します。
- 人材の流動性が高い
- 給与水準が高い
- 実力主義の傾向が高い
- コミュニケーション・スキルが向上する
- フラットで意思決定の速い組織が多い
それでは順番に解説していきます。
外資系企業を選択肢に入れるべき理由① 人材の流動性が高い
外資系企業の人材の流動性に関しては、ご想像のとおり一般的な日系企業よりも高い傾向といえます。
- 従業員がみずからキャリアプランをもっており、ステップアップのために次のキャリアを求めて転職する傾向が強いこと
- 企業側の事情(M&A、部門の閉鎖、世代交代など)で再編成や人員整理を行うこと
が理由です。
転職活動をおこなっているひとにとっては、流動性の低い日系企業より欠員募集が出る可能性が高く、日系企業ほど転職回数は問われない、という大きなメリットがあります。
外資系企業を選択肢に入れるべき理由② 同業種・同職種の日系企業より給与水準が高い
日系企業の同業種・同職種よりも給与水準が高いケースが多いです。
採用企業側としては、即戦力を採用することにより時間を買うことができます。
採用される側としては、解雇リスクが日系企業より高いぶん、報酬にプレミアムがのっていると認識されている方が多いと思います。
外資系企業を選択肢に入れるべき理由③ 実力主義の傾向が強い
外資系企業では、在籍年数、学歴、性別ではなく、仕事の成果や業績への貢献度で評価される傾向があります。
ただし、正直ひとの相性や好き嫌いはありますので、日系企業と同様に上司とのコミュニケーション力は問われます。
日系企業とは違い、社内異動の機会が少ない外資系企業においては上司との関係はより重要かもしれません。
海外本社のカルチャーが反映されている外資系企業では、厳しい反面、やるべき事をやっていれば無駄な残業、飲み会への参加などは必要なく、定時退社や長期休暇などプライベートを充実させることも可能です。
外資系企業を選択肢に入れるべき理由④ コミュニケーション・スキルが向上する
日本人同士であうんの感覚で成立していたコミュニケーションが外資系企業では通用しないことがほとんどです。
さまざまなバックグランド(国籍、年齢、性別、性格)の上司・同僚にも理解してもらえる様に明確かつ論理的に説明することがが求められます。
また、ネイティブスピーカーでない場合、外国語で上司や関連部門と仕事を進めなければなりません。
そうなると論理的なライティングや図解によるプレゼンスキルも必要となります。
したがって、外資系企業で様々なタスクを経験することにより、必然的にコミュニケーション・スキルが向上します。
外資系企業を選択肢に入れるべき理由⑤ フラットで意思決定の速い組織が多い
企業の文化や業界にもよりますが、わたしの経験からは、日系企業と比較するとフラットな組織をもつ企業が多いと実感しています。
また、意思決定の権限移譲(結果に対する責任がともないますが・・・)とスピード感も外資系企業の特徴でしょう。
なぜフラットで迅速な意思決定が求められるかというと、競争の激しい市場からのニーズや株主からの要求に迅速に対応する必要があるからです。
また、海外本社で意思決定されてから各国の支社に指示が下りてくるまでのタイムラグもあり、ほとんど締め切り間近でタスクが振られることもあります。
日系企業においても、特にIT業界などでは迅速な意思決定が求められるケースは年々強まっています。
そのため、外資系企業でそのスピード感を養うことは今後のキャリアにおいて有益だと思います。
外資系企業への転職の5つのデメリット
外資系企業を転職活動の選択肢に入れるべき5つの理由を説明しましたが、ここでは日系企業との比較でよく挙げられるデメリットを解説したいと思います。
- 解雇リスク
- 語学力
- 職種の固定リスク
- 福利厚生の充実度
- 日本法人の裁量
それでは5つのデメリットを順番に解説していきます。
外資系企業への転職のデメリット① 解雇リスク
わたしはこれまで外資系企業は4社経験しましたが、そのうち2社で比較的大規模なリストラが実施されました。
そのほかの2社では大規模なリストラはありませんでしたが、今後は役職を用意できないとの理由から雇用契約を合意解除された社員がいました。
主な理由としては、部門の閉鎖(将来性のないビジネス領域からの撤退、他国への移管など)、世代交代などがあります。
しかしながら、わたしが在籍した日系企業6社のうち2社でも大規模なリストラが実施されました。
また、危機的な状況にない日系企業においてもリストラは実施されるようになってきてますので、日系企業の方が絶対安全ということでもないと思います。
なお、外資系企業であっても日本の法律が適用されますので、違法な解雇は認められません。
外資系企業への転職のデメリット② 語学力
求人票で特に語学力が求めてられなくても、やはり外資系企業では語学力はあった方が有利です。
特に中間管理職以上のポジションになってくると、英語でのコミュニケーションができないと色々なハンデを背負うことになる可能性が高いです。
とはいえ英語力は日々の業務や努力で改善できますし、英語力は今後のキャリアにおいて非常にコスパの高いポータブルスキルになります。
すべてのポジションでネイティブスピーカーレベルの英語力が求められるというわけではありません。
以外とビジネスで使用する英語はそれほど幅広くなかったりします。
わたしはこれまで苦手意識さえ克服できれば業務上問題ないレベルになる人を何人も見てきました。
不安がある方は、まずは日系企業の海外部門や日系企業との共同出資の外資系企業で慣れていくことも検討してみてはいかがでしょうか?
外資系企業への転職のデメリット③ 職種の固定リスク
日系企業では採用した人材に色々な部門を経験させることが一般的かと思います(外国人の同僚にこのことを話すと大抵驚かれます)。
いっぽう、外資系企業ではJob Description(職務記述書)で各職種の業務内容が明確に定義されていて、該当するスキルをもった人材を採用します。
したがって、基本的にそれ以外の仕事を担当することはありません。
昇進・異動しない限り、基本的には同じ範囲の業務を継続することになるので、数年後には自身の成長を感じられなくなるかもしれません。
逆に、自分が極めたいと思う業務に携わっていられるメリットもあります。
外資系企業への転職のデメリット④ 福利厚生の充実度
日系企業と比較すると見劣りする外資系企業が多いと思います。
したがって、退職金や諸手当がなくても給与そのものの増額分でこれらの手当分をカバーできるかどうかがポイントになります。
日系企業から外資系企業から転職する場合は諸手当や退職金を考慮して現職の待遇と比較するようにしましょう。
ただし、日系企業における福利厚生は業績によっては改悪・撤廃されるリスクもありますので、ある意味外資系の給与体系はシンプルで良い、とも考えられます。
外資系企業への転職のデメリット⑤ 日本法人の裁量が小さいケースがある
日本市場への依存度にもよりますが、本社の裁量が非常に大きく日本法人の自由度が低いケースがあります。
特にグローバル企業の場合は、全世界における経営の効率性の観点から本社の方針・ルールを日本市場用にアレンジすることを認めないことがあり得ます。
また、欧米に本社がある企業の場合、アジアを統括する組織が中国・香港・シンガポールなどにあり、欧米の本社と直接やりとりする機会がない又は少ない可能性もあります。
気になる方は、応募する際に転職エージェントや採用企業の担当者に確認されることをおすすめします。
外資系企業への転職:まとめ
以上、この記事では、外資系企業を転職活動の選択肢にいれるべき5つの理由について解説しました。
- 人材の流動性が高い
- 同業種・同職種の日系企業より給与水準が高い
- 実力主義の傾向が強い
- コミュニケーション・スキルが向上する
- フラットで意思決定の速い組織が多い
わたしは、日系企業と外資系企業の両方で働いた経験がありますが、グローバル化の波により年々両者の違いが少なくなってきているように実感しています。
日系企業でも強烈なグローバル企業化を進めているところもあれば、外資系企業であっても、日本企業の文化を色濃く残しているところがあります。
日系企業でもメンバーシップ型採用からジョブ型採用に切り替えている企業も増えています。
外資系企業でも色々なタイプがあり、企業・部門によってはほとんど英語力を求められず、入社してから改善していけばよい職種もあります。
これまで日系企業に絞って転職活動を行ってきた方にも、ぜひ外資系企業のメリットにも注目いただき、キャリアの選択肢を広げてみてはいかがでしょうか?
外資系企業への転職には、以下の外資系企業に強い転職エージェントを活用することをおススメします。
転職エージェントを利用するメリット
- 利用は無料
- 募集背景の情報を入手できる
- その企業の報酬レンジを入手できる
- 応募書類のチェックをしてもらえる
- 面接指導を行ってもらえる
- 事前に面接官の情報を入手できる
- 入社時期や待遇の交渉を行ってもらえる
転職エージェントを上手に利用して、効率的に転職活動を行い、内定(オファー)に近づく可能性を広げましょう。
また、外資系企業の採用面接では、STAR形式で自分の経歴をまとめておくことをおススメいたします。STAR面接についてはこちらの記事で詳しく解説しています↓
最後まで読んでくださりありがとうございました!